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2007年03月09日(金) 21時23分

プロ野球各球団「あってはならないこと」 西武問題朝日新聞

 「あってはならないこと」。プロ野球の各球団は、今回の件について一様に驚きの声を上げた。

 「一場問題」で、当時の砂原幸雄オーナーが辞任した横浜は、事件後、現場でのスカウト活動のルール順守を徹底してきたという。適正なスカウト活動のやり方をまとめた「マニュアル」をまとめ、3月末には各スカウトに配布する予定だ。荒井信久スカウト部長は「これまでも周知を徹底してきたが、05〜06年の経験も踏まえた、一目で分かるものにしたい」と話す。

 同様に裏金問題にかかわった阪神は、「倫理行動宣言」と同宣言にかかわる申し合わせを厳守するよう、スカウトらに徹底している。「金銭のやりとりは一切ない。今は公正に(スカウト活動を)やっていると、胸を張って言える」と野崎勝義取締役。スカウトの1人は、アマチュア監督に選手獲得の意思を伝える際は、常識的な範囲内の会食もしなくなったという。選手の獲得に向けては、頻繁に練習や試合をみて、合宿所などで、チームの監督に意思を伝えているという。

 ソフトバンクの角田雅司球団代表は「規定があるわけだから、以前からずっと裏金なんか使うなという指導はしているし、使っていない」ときっぱり。日本ハムの島田利正チーム統括本部長も「以前から一切、スカウト活動で裏金は使っていない。(西武の件は)一場の問題が発覚した以降だったとしたら悪質だ」と話した。

 ドラフト制度検討委員会で、今季以降の新たなドラフト案について話し合いを進めている山中正竹委員長は「もうスカウト活動における裏金は、世の中からなくなっているものと思っていた。プロ側が倫理行動宣言の規定だけではなく、厳しい拘束や処罰を決めていこうという流れの中で、非常に残念なことだ」と話した。

 巨人の清武英利球団代表は京セラドームでの試合後、報道陣の質問に「何が起きたのか分かっているのか? 試合を見ていたから、僕に聞かれても、分からない」と声を荒らげた。

http://www.asahi.com/national/update/0309/TKY200703090360.html