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2007年03月09日(金) 00時00分

温室効果ガス 20%削減で基本合意 EU首脳会議、2020年まで 東京新聞

 【ブリュッセル=池田千晶】欧州連合(EU)首脳会議が八日、ブリュッセルで開幕し、地球温暖化防止対策として、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出量を二〇二〇年までに一九九〇年比で20%削減することについて基本合意した。ただし、その具体策となる再生可能エネルギーの利用比率の引き上げに関しては、各国の利害が対立。結論は最終日の九日に持ち越された。

 初日の討議後に記者会見した議長国ドイツのメルケル首相は「EUが主導的な役割を果たし、野心的な環境政策を示す必要性では一致している」と強調。「さらなる議論が必要だが、希望は持っている」として、合意文書に強制力のある数値目標を盛り込むことに意欲を示した。

 太陽光、風力、バイオ燃料などの再生可能エネルギー利用拡大の義務化は、欧州委員会が提案。現在、EU全体で7%程度の同エネルギーの利用比率を、二〇年までに20%にまで引き上げることを目指している。

 メルケル首相は、一二年までの削減目標を定めた京都議定書に続く国際交渉で、米国やロシアに圧力をかけるためにもEUが真剣さを示す必要があるとして、数値目標の義務化を主張。北欧諸国や英国なども支持した。

 これに対し、チェコやポーランドなどの東欧諸国は、コスト負担の大きい再生エネルギーへの切り替えは困難だとして抵抗。

 原子力発電に頼るフランスは「エネルギー政策は各国の主権の問題」との考えを示す一方で、再生可能エネルギーに原子力を加えるよう主張するなど、議論は平行線をたどっている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20070309/eve_____kok_____000.shtml