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2007年03月09日(金) 00時00分

『銃の保有世界一盗聴、人種差別…』 中国が『米の人権報告』 東京新聞

 【北京=平岩勇司】中国政府は八日、米国で深刻な人権侵害が続いているとする「二〇〇六年米国の人権報告」を発表した。米国務省が国別にまとめた六日の人権報告書で、中国の人権状況を批判したことへの反論。中国側の発表は八年連続となる。

 報告では「米国は個人の銃保有数が世界一で、暴力犯罪は〇五年で五百二十万件に達している」と指摘。テロ対策を理由に、電話の盗聴や郵便物の検閲などを繰り返し、司法機関も人権侵害に加担していると主張した。

 また、黒人の失業率は白人の二倍以上、女性は男性と同様に働いても賃金は低いとデータを挙げ、人種差別や男女差別が横行していると批判。「米国は自らの人権問題を直視し、他国の内政干渉を中止すべきだ」と結んだ。ただ、報告書のデータの大半はワシントン・ポストなど米国の報道の引用だった。

 中国外務省の秦剛副報道局長は八日の定例会見で、「心を正しくし、身を修めることで、国を治める」という古代中国の思想家、孔子の教えを引用し、「米国には孔子の文章をじっくり読むことをお勧めする」と皮肉った。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20070309/mng_____kok_____002.shtml