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2007年03月09日(金) 09時51分

「医療事故調」の報告公表 医療機関に還元 厚労省試案朝日新聞

 医療中の死亡事故の原因究明を行う医療版「事故調査委員会」設置に向けた厚生労働省の試案が8日、明らかになった。臨床医や弁護士らで構成する調査・評価委員会(仮称)を国か都道府県に設置。聞き取り調査を実施し、臨床経過などを評価したうえで作成する調査報告書は公表する。調査結果を医療機関に還元することで、再発防止を図る狙いだ。4月にも立ち上げる有識者検討会で、医師法改正を含めた制度設計を進める。

 試案では、医療機関に対して死亡事故の届け出の義務化を検討。届け出を受けた調査・評価委員会が、解剖やカルテ調査、関係者の聞き取りなどによって死因を調べ、臨床経過や診療行為などを評価する。作成した調査報告書は、医療機関と遺族に渡すとともに、個人情報は伏せて公表する方針だ。

 報告書で医療機関側の過失責任が指摘された場合には、国が速やかに行政処分を下す仕組みを設けるとともに、報告書を民事訴訟や刑事訴訟に活用する仕組みも検討する。

 このほか、遺族からの申し出を受けて調査を実施することや一定規模以上の死亡事故以外も調査対象とすることなども検討対象とする。

 この試案は9日、自民党の「医療紛争処理のあり方検討会」(座長・大村秀章内閣府副大臣)と社会保障制度調査会医療委員会の合同会議に示される。

http://www.asahi.com/life/update/0309/003.html