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2007年03月09日(金) 22時05分

GDC:任天堂の宮本専務が講演 Miiは構想20年「ゲーム開発は執念」と毎日新聞 まんたんウェブ

 米サンフランシスコで開催中のゲーム開発者会議「GDC(ゲーム・ディベロッパーズ・カンファレンス)」で7日(現地時間)、世界中で大ヒットしたゲーム「スーパーマリオブラザーズ」などを生んだ任天堂の宮本茂専務が「A Creative Vision(創造的ビジョン)」と題して基調講演を行った。

 宮本さんは、「スーパーマリオブラザーズ」「ゼルダの伝説」など多くの大ヒットソフトを手掛けてきた世界的なゲームクリエーター。06年3月には、「ゲームの世界で革命を起こし続けた」として、仏政府から芸術文化功労勲章「シュバリエ章」が贈られており、同日授賞式が開かれた「ゲームのアカデミー賞」と呼ばれる「ゲーム・ディベロッパーズ・チョイス・アワード」でも生涯功労賞に選ばれている。

 宮本さんは、ゲーム開発ビジョンとして「ユーザー層の拡大」を挙げ、これまでゲームに関心のなかった宮本さんの妻が、「どうぶつの森」や「ニンテンドッグス」、「脳を鍛える大人のDSトレーニング」などを通して、次第にゲーム好きになり、今では、任天堂の新型ゲーム機「Wii」で家族の分身キャラクターを作ったり、近所の人と「Wiiスポーツ」を楽しんでいるという例を紹介。さらに、「ゲーム開発は『執念』が必要」として、Wiiの似顔絵サービス「Mii」が、ファミコン時代から約20年以上、何度も開発したがあまり成功せず、岩田聡社長がニンテンドーDS向けに開発していた似顔絵ソフトをきっかけに、改めて開発され、Wiiで人気になったというエピソードを語った。

 宮本さんは「人に喜んでもらうゲームを作ることが自分の仕事。企業やクリエーターによってビジョンは異なるが、最終的にはゲームを通してポジティブな気持ちを提供することが重要」とゲームづくりへの思いを話していた。【サンフランシスコ小野憲史/フリーライター】

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