記事登録
2007年03月09日(金) 00時00分

すき家“大盛り”M&A…総合外食産業へ吉野家と激突ZAKZAK

かっぱ寿司を傘下に

 昨8日、カッパをグループ会社化すると発表したゼンショー。3月下旬までに、ゼンショーがカッパ創業者の保有株(総株数の約5%)を買い取るとともに、約104億円の第三者割当増資を引き受け、出資比率を約31%にするという。

 ゼンショーは現在、洋食レストランチェーンのサンデーサンにTOB(株式公開買い付け)を実施中。「ココス」「ビッグボーイ」などのファミレスを559店擁しているため、サンデーサンの334店が加わると、すかいらーくに次ぐファミレス業界2位のチェーンが誕生することにもなる。

 その最中にカッパも手中に収めるとは少々貪欲(どんよく)な印象を受けるが、流通アナリストは、「外食産業は少子化の影響などで縮小傾向にあるため、食材の共同仕入れや店舗運営のノウハウを共有化したりして経営の効率化を図っていかないと厳しい」と現状を語る。

 肉と魚の合体では「京樽」をグループに持つ吉野家が先行中。同社は今年10月、持ち株会社「吉野家ホールディングス」と、事業会社「吉野家」に分割。持ち株会社が上場を維持し、社長には吉野家の安部修仁社長が就任する予定。「グループ経営の効率化を図り、国内外でM&Aを積極的に進める」(関係者)と、こちらもM&A宣言をぶち上げる。

 「吉野家はBSE(牛海綿状脳症)の影響で成長戦略の修正を余儀なくされ、米国産を使わず、豪州産に限るゼンショーも風評などで間接的に影響を受けた。牛丼一本やりではリスクが高く、両社とも総合外食産業に活路を見いださざるを得ない」(先のアナリスト)

 食欲旺盛な2強。今後はどんな“外食”に食指を動かすのか。

ZAKZAK 2007/03/09

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_03/t2007030923.html