記事登録
2007年03月08日(木) 00時00分

上原氏3選不出馬表明 国立市長選朝日新聞

 国立市の上原公子市長(57)=2期目=が7日会見し、4月にある市長選に立候補しないことを表明した。理由について上原氏は、幾つもの重要議案を議会に否決されてきたことを挙げ、「(自分が)市長として存在し続けることのデメリットが大きく、市民のためにならない」と語った。

 上原氏は約1時間の会見の大半を議会との関係の話で費やした。年々議会からの批判が強まり、国立駅舎保存を巡る問題で議会との対立が激しかった昨秋から、3期目は立候補しないことを考え始めたという。

 市長提案の政策的予算案や条例制定案などを度々否決した市議会多数派の野党に対し、「上原をつぶすためだけでやっている。市民と議会の意が離れている」と話し、市民が議会をチェックし続ける必要性も訴えた。

 出馬を求める支持者に対しては、「ごめんなさいとしか言えない」とし、後継候補については「(意中の人は)いない」と話した。他の選挙への立候補は否定した。

 上原氏は99年の市長選で初当選。以降、住民基本台帳ネットワークから離脱したり、イラクへの自衛隊派遣の撤退を求める意見書を首相に送ったりと注目を浴びた。ハコものの建設を抑え財政再建にも取り組んだ。

 市長選に立候補を表明している元都収用委員会事務局長の嶋津隆文氏(59)=自民、公明推薦=は「驚いているが、自分としてはやるべきことを市民に訴え続けるだけ」と話す。同じく出馬準備を進めている元フリーアナウンサーの山下容子氏(48)は「選挙戦で現職批判の必要がなくなり、思う存分自分の施策をアピールできる」と受け止めている。

 上原氏の後援団体幹部は「勉強家で優秀な人材だっただけに残念だ。ただこの時期の表明には、後継者の擁立も難しく困っている」と話している。

http://mytown.asahi.com/tama/news.php?k_id=14000000703080002