記事登録
2007年03月08日(木) 16時09分

鹿児島地検が12人全員の控訴断念 県議選買収事件朝日新聞

 03年4月の鹿児島県議選で、投票依頼に絡んで現金を授受したとして公職選挙法違反(買収、被買収)の罪に問われ、鹿児島地裁から2月23日に無罪判決を受けた元県議の中山信一さん(61)ら被告12人全員について、鹿児島地検は8日、控訴しないことを明らかにした。9日の控訴期限を前に12人の無罪が確定した。

 起訴状では、中山さんは妻シゲ子さん(58)らと共謀し、03年2—3月、同県旧志布志町(現志布志市)の民家で4回にわたって会合を開き、住民11人に現金計191万円を渡して投票依頼をするなどした、とされた。うち6人(1人は公判中に死亡、公訴棄却)は捜査段階で容疑を認めたが、公判では「厳しい取り調べで自白を強要された」として否認に転じ、その後は12人全員が無実を訴えていた。

 鹿児島地裁は判決で、4回あったとされる買収会合のうち2回について、会合の「主催者」とされた中山さんのアリバイを認定。いったん容疑を認めた6人の自白についても「(取調官から)追及的・強圧的な取り調べがあったことがうかがわれる」として信用性を否定するなど、すべての争点について弁護側の主張を受け入れた。

http://www.asahi.com/national/update/0308/TKY200703080195.html