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2007年03月08日(木) 10時00分

プライバシーも仕事ぶりも会社に筒抜け日刊ゲンダイ

 多くの企業が成果主義を導入したことで、上司は部下の仕事ぶりを細かく把握しなければならなくなった。しかし、ホワイトカラーの仕事をすべてチェックし正しい評価を下すなど、どだい不可能だ。そこで広がっているのがパソコンを通じた社員監視。プライバシーから仕事ぶりまで、会社はあなたのパソコンをここまで覗(のぞ)いている。

●多くの企業が監視ソフト導入 
「会社の給湯室でシステム管理部門の女性社員たちが、“××さんって、しょっちゅうアダルトサイトにアクセスしてるのよ”って話してるのを聞いてドキッとしたよ」(食品メーカー社員)
 財団法人「労務行政研究所」が上場企業を対象にアンケート調査を行ったところ、21%の会社がウェブや電子メールの監視(モニタリング)を行っていた。
「カード会社、リース会社、保険会社、銀行などは、まず間違いなく社員監視ソフトをサーバーに組み込んでますよ。仕事中のゲーム遊び、アダルトサイトへのアクセス、友人や同僚とのメールのやりとり、資料の持ち出しはもちろん、仕事の進行具合なども会社に筒抜けです。もちろん、社員に監視していることを知らせたりしません。人員整理や降格・減給などのときに、“こんなことをやっていただろう”と追及の材料にするわけです」(システム会社課長)

●メール送受信数で社内派閥把握
 社員のメールを盗み読みするだけでなく、社員同士のメールのやりとりの回数で社内の人間関係、派閥も把握することができる。
「メール解析ソフトを使うと、どの社員とどの社員の間でどのくらいメールが交わされたかが記録され、“社内相関図”のグラフが作成されます。メールが集中している社員が派閥の中心人物で、そことの送受信が少ない社員はグループから孤立しているというわけです」(ソフト制作者)

●仕事のサボリもすべて記録
 プライバシーだけでなく、仕事に集中しているかどうかも逐一監視されている。
「作業監視ソフトを導入すれば、何時から何時までどのアプリケーションを使っていたか、入力のスピードはどうかなどがチェックでき、その社員の仕事ぶりがたちまち判明します。仕事熱心なフリをして残業が多い社員が、実は昼間ダラダラと仕事をしていて、就業時間内に終わらないだけなんてこともバレてしまいます」(大手機械メーカー人事担当者)

●上司はあなたのパソコンを読んでいる
「ある時、上司から“得意先への注文依頼書はもっと丁寧に書いた方がいいよ”と言われたことがあったんです。はじめは先方から苦情でもきたのかなと思っていたのですが、上司が部下のパソコンをいつでも見られるシステムになっていたんです。会社のパソコンで彼女にラブメールを送ったりしていましたから、これも見られていたのかとゾッとしました」(自動車メーカー若手社員)
 パスワードでガードしても、上司は部下のパソコンを覗いていることぐらいは、いまや常識と考えた方がいい。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070308-00000008-gen-ent