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2007年03月08日(木) 10時00分

安倍が強引に復党させた衛藤晟一前議員は何者なのか日刊ゲンダイ

 党内の反対にあいながら、安倍首相(52)が強引に復党を決めた郵政造反組の衛藤晟一前衆院議員(59)。石原伸晃幹事長代理は4日のNHK番組で「衛藤氏が復党した時点で、首相が国民に直接説明する」「福祉団体から衛藤氏を推す声が強い」と話していた。
 全国的には、ほとんど無名だが、安倍首相がそこまでこだわる衛藤氏とは一体、どんな人物なのか。
「衛藤氏は首相にとって初当選以来の“兄貴分”です。98年まで同じ旧三塚派に所属。首相は小渕内閣の改造・党人事で党の要職『社会部会長』(現・厚生労働部会長)に抜擢されましたが、この人事を当時の亀井静香政調会長に進言したのが、政調副会長だった衛藤氏でした。それまで首相はポストに恵まれず、政務次官の経験すらなかった。目をかけてくれた“恩人”に、今も足を向けては寝られないはずです」(自民党関係者)
 歴史認識や教育観でもウマが合い、首相の金看板の拉致問題では衛藤氏が拉致議連の事務局長を務めるなど連携してきた。過去にはナント、あの井脇ノブ子議員(61)の「元婚約者」とウワサされたことも……。
 昨年11月には安倍自らが「自民党に戻れるから、とにかく選挙の準備をしておいてくれ」と電話したというから、ハナから参院選前に復党させる腹積もりだったのだ。
「安倍首相はボンボン育ちの裏返しなのか、苦労人を好む傾向がある。衛藤氏の父は傷痍(しょうい)軍人で、高1の春に病弱だった母を失いました。実家も事業で失敗し、バイトで生計を立てながら地元の大分大を卒業。大分市議、県議を経て、初出馬で落選した後に衆院議員(大分1区)となった叩き上げの人物です。ただ、その後も何度か落選するなど決して選挙は強くありません」(政界事情通)
 かつては「生長の家」の熱心な信者だったといわれ、推薦団体には「崇教真光」や「念法真教」の名前も取り沙汰されている。もし、参院選で落選したら、再び安倍批判が起きるのは間違いない。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070308-00000010-gen-ent