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2007年03月08日(木) 00時00分

“代理論戦”が過熱 予算案に民主反対 東京新聞

 自民、公明の賛成多数で新年度一般会計予算案が可決された七日の都議会予算特別委員会で、これまでの「与党的立場」を一転させ、共産などと反対に回った民主。討論では石原都政を激しく批判し、都知事選で支援する前宮城県知事浅野史郎氏(59)を援護射撃したが、石原慎太郎知事(74)を支援する自民は「ご都合主義だ」と猛反撃。与野党対決の構図にもなる都知事選を先取りし、論戦は二大政党の“代理戦争”でヒートアップした。

 民主が予算案に反対するのは、一九九七年の会派結成以来、初めて。反対討論に立った石毛茂都議は「歳出を抑制しつつもさまざまな分野に配分している」と一定の評価をしながらも「震災対策や子育て支援は不十分。高齢社会対策にも危機感が見られない」と追及した。

 さらに、石原知事の都政運営のあり方をやり玉に挙げ「知事と側近が都政をゆがめ、私物化している。恣意(しい)的な選択と予算執行が横行するなかでは、予算案は認めることができない」と声を張り上げた。

 これに、自民の臼井孝都議が反論。施策への評価を一通り述べた後「民主の最近の言動について、一言申し上げる」と切り出した。

 「合理的な根拠も対案も示さず反対するだけなら、知事選へのデモンストレーションとされてもやむを得ない」と批判した上で「ご都合主義で無責任な行為」と指弾した。

 最後は「自民は、今後とも一貫して石原知事と手を携えながら、責任政党としての役割を全うしていく」と決意表明。党推薦を断られた石原知事に強烈な秋波を送った。

■吉田氏支援の各界著名人 賛同アピール発表

 都知事選に共産党推薦で出馬する元足立区長の吉田万三氏(59)を支持する各界の著名人が七日、連名で賛同アピールを発表した。

 経済同友会終身幹事の品川正治氏、作曲家の池辺晋一郎氏らが二月十四日から呼びかけ、今月六日現在、四百五十九人が賛同を表明。呼び掛け人の一人で、中村方子・中央大学名誉教授は都庁で記者会見し、「吉田さんに教育と福祉の面で期待したい」と述べた。

 吉田氏を擁立した「革新都政をつくる会」の中山伸・代表世話人も同席。「反石原」で共通する前宮城県知事の浅野史郎氏と、候補者を一本化する可能性を記者団から問われると、「吉田氏の必勝に全力を尽くす」と否定。浅野氏の政策骨子について「憲法への発言が一言もない」などと批判した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070308/lcl_____tko_____000.shtml