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2007年03月08日(木) 00時00分

<東京カフェ>投票に行こう 東京新聞

 「私は選挙で選ばれた者だ。単なる会社員の記者にあれこれ詮索(せんさく)される覚えはない」

 テーブル越しに向かい合った市議は、そう言い放ってこちらをにらみつけた。疑惑は入札への介入。言葉を濁しながらも取材に応じていたが、話が核心に及ぶと、態度を豹変(ひょうへん)させた。

 まだ駆け出しの地方勤務時代の思い出だ。以来地方議会、都議会、国会で多くの政治家を取材した。魅力ある人物も多かった。だが、複雑怪奇な政治の世界。初心を貫くのは難しいと聞く。その結果「清濁併せのむ」のが大物になった証しという。が、そうだろうか?

 かつて「(選挙に)関心がない人は寝ていてくれれば」と発言してひんしゅくを買った首相もいたが、投票率が年々下がっているのも確か。政治的無関心層の増加を背景に、議会でやりたい放題されたらたまらない。

 「選良」には一票への責任がある。ならば有権者も責任を持とう。もうすぐ統一選。最良がいないなら、よりいいと思う候補に投票し、その後の言動を、可能な範囲で監視していくのはどうだろう。やり方はいろいろある。そうすれば、彼らもそうむちゃはできまい。 (植木幹雄)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070308/lcl_____tko_____005.shtml