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2007年03月08日(木) 00時00分

IAEA 北朝鮮の査察復帰促す 東京新聞

 【ウィーン=三浦耕喜】ウィーンで開かれている国際原子力機関(IAEA)の定例理事会は七日、北朝鮮の核問題について討議し、ペトリッチ理事会議長(駐ウィーン・スロベニア大使)は議長総括で「理事会として六カ国協議による合意を歓迎する」として進展への期待感を示した。同問題では、エルバラダイ事務局長が十三日から北朝鮮を訪問する予定で、議長総括でも「訪朝を歓迎する」として、北朝鮮のIAEAによる査察体制への復帰に向けた取り組みを促した。

 各国による意見表明では、六カ国協議に参加した五カ国を含め二十一カ国・機関の代表が発言。多くは朝鮮半島の非核化に向けた大きな一歩として六カ国協議の合意を歓迎し、事務局長の訪朝に期待する内容だった。日本は天野之弥駐ウィーン国際機関代表部大使が「北朝鮮が定められた措置を迅速かつ完全に実施することが重要となる」と述べた。

 一方、一部の国は「北朝鮮が核実験を行ったことは、核拡散防止条約(NPT)体制への重大な挑戦だ」と北朝鮮を非難。議長総括にも、北朝鮮に対して核兵器を放棄するよう求める声が上がったことが盛り込まれた。

 イランの核問題については、ウラン濃縮活動を停止していないとする先の事務局長報告を留意することを表明。引き続き、国連安全保障理事会の制裁決議に基づき、IAEAがイランに供与している原子力技術協力を一部制限することを承認する。これに対し、イランのソルタニエIAEA担当大使は理事会で発言し、「ダブルスタンダードであり差別的な政策だ」と強く反発した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20070308/mng_____kok_____002.shtml