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2007年03月06日(火) 10時00分

都知事選 石原、浅野一騎打ち専門家の見方日刊ゲンダイ

 都知事選で注目されている浅野史郎氏(59)が2日、事実上の出馬宣言をした。「調べてみると石原都政はひどい。都庁に週1日しか来ないそうですね」と早くも“舌好調”。で、本番は勝てそうなのか、勝負になるのか。

 政治アナリスト・伊藤惇夫氏の見方はこうだ。
「ここ1、2週間、浅野氏はテレビに出まくっているが、それでも知名度は石原都知事(74)に圧倒的に劣る。果たして都民のどれだけが知っているか。それを考えると現状では7対3で石原有利です。しかし、都知事選は無党派層そのものの選挙。ちょっとした風、ムードでガラリと変わる。浅野氏が勝つとしたら、テレビが連日大きく取り上げ、そこで浅野氏が都民も共鳴できる石原批判をできたとき。差が10ポイントくらいに近づけば、いい勝負になるし、その時は共産党も候補を降ろして側面支援することになるでしょう」
 自分の息子を「余人をもって替え難い」と言ってのけた石原都知事は、四男問題や豪華出張スキャンダルを抱え、4年前の勢いはない。今度ばかりは石原タレント軍団や家族総動員の選挙戦もやりにくい。そこで政治評論家の森田実氏は、「石原3選はあり得ない」と断言する。
「最近、私は100人くらいの人と都知事選について話をしたが、だれ一人、石原を支持する人はいなかった。ナポレオンが“どんな英雄でも最後は鼻につく”と言いましたが、それと同じで、石原のゴーマン、都庁私物化、身内オンリー主義が毛嫌いされている。それに加えて、石原を支える自民・公明が無党派に完全にソッポを向かれています。保守王国の宮崎でそのまんま東が勝ち、愛知では盤石といわれた自公の現職知事が1週間で2ポイント差まで追い上げられた。あと1週間、投票日が先だったら逆転していた。世の中の政治を見る目はこの数カ月で大きく変わっています。すでに石原神話など崩壊しているのです」
 石原都知事は大慌てで自民党の推薦を断った。本人が一番「危機」を知っているのだろう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070306-00000005-gen-ent