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2007年03月06日(火) 00時00分

目指すは“世界一のブラウザ”読売新聞

 「世界一使いやすいブラウザを世界に普及させたい」。国産ウェブブラウザ「Lunascape」(ルナスケープ)の開発者、近藤秀和さんの目標は壮大だ。スゴ腕プログラマーとしても知られる近藤さんに、ルナスケープの特徴、目指すものを聞いた。

「エクスプローラよりも常に先行」

近藤 秀和  こんどう・ひでかず
Lunascape株式会社 代表取締役兼CEO
 1977年、東京都生まれ。02年、早稲田大学大学院理工学研究科修士課程(情報・ネットワーク専攻)修了後、ソニー入社。04年8月、Lunascape株式会社設立、代表取締役兼CEO就任。
 05年度ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー(経済産業省など認定)受賞など、ソフトウェア関連の受賞多数。
—— ルナスケープとは、どんなソフトですか。

近藤 ウェブ・ブラウザです。ブラウザはインターネットを使うために必須のソフトウェアなので、パソコンを使う人は誰でも使ったことがあると思います。

 最も普及しているブラウザは、米マイクロソフト社の「インターネット・エクスプローラ」。国内の普及率は8割以上といわれています。次が、モジラ財団の「ファイア・フォックス」で8〜9%。これらのブラウザに比べるとルナスケープのシェアは大きくはありません。国内のネット利用者の2%が使っています。

 ルナスケープの特徴を一言で言うと、使い易さに尽きます。インターネット・エクスプローラよりも常に数歩は先行していると自負しています。ルナスケープ社のサイト(http://www.lunascape.jp/download/)から無料でダウンロードして使えるので、試してほしいですね。あえて、言葉で説明すると、タブ機能(複数のウェブサイトを並行的に閲覧できる)、ブックマークの管理がしやすいこと、最初からRSSの表示ができるように仕組まれていることなどが主なところです。

—— ルナスケープには、いくつかの種類があるみたいですね。

近藤 通常のブラウザのほか、ネット・オークションで商品を探したり、出品したりするのに適したものや、外出先などでPHSのデータ通信を使ってノートパソコンからネット接続するのに適したものがあります。

 広告業界の注目を集めたのは、ある自動車メーカー向けに作った車のデザインや雰囲気を取り入れたブラウザです。企業向けにブラウザをオーダーメードする、という発想が目新しかったのだと思います。

—— 収益は、どのようにして上げているのですか。

近藤 少し前まで、収入の大半はオーダーメードの企業向けブラウザの開発費などでした。

 今、力を入れているのは一人一人のルナスケープ利用者を対象にしたビジネスです。ルナスケープにあわせて、別のソフトウェアもダウンロードしてもらったり、控えめな広告を出したり、ブラウザの機能を使って、あるウェブサイトにページビューを誘導したり、といったことを考えています。一部は実施しています。目先の売上よりも、1、2年先を見つめた仕事をしたいと思っています。

http://www.yomiuri.co.jp/net/interview/20070306nt07.htm