記事登録
2007年03月06日(火) 00時00分

激動のアフガン映画に NPO法人、10日から大田などで 映画祭では昨年秋、カブールのマーケットの風景などを撮った映像も公開される 東京新聞

 アフガニスタンの民衆の素顔を伝える映画祭が十日から十六日まで、大田区の日本工学院専門学校など二つの会場で開かれる。主催する特定非営利活動法人(NPO法人)クロスアーツの村山達哉代表は「イラク戦争の後、アフガンについての報道が減り、復興の現実が伝わっていません。映像を通じて現在のアフガンのリアルな姿をぜひ見てほしい」と呼びかけている。

 極端なイスラム原理主義を持ち込んだタリバン政権時代、映画は堕落を招く娯楽として厳しく禁じられていた。今回、上映される作品の多くは、米軍の攻撃によってタリバン政権が崩壊した後に制作されている。

 長く続いた内戦、タリバンの圧政、米軍による攻撃…。厳しい環境下、必死に生きている子どもたちの姿などを描いたドキュメンタリー「カブール・トライアングル」などのほか、社会主義政権下の一九八六年に制作され、その後のアフガン社会の混乱を予言したとされる問題作「渡り鳥」(アーマディ・ラティフ監督)も初公開される。

 このほか、首都カブールの民放テレビ局アイナTVの人気番組の特集映像の上映もあり、同局のチーフプロデューサー、ナジブ・パイマン氏を招いたトークショーも連日開催。激動するアフガンのいまを語ってもらう予定だ。

 二〇〇五年十一月、大田区で二日間開かれた初めての映画祭は五百人が鑑賞するなど大きな反響があった。二回目の今回は三月十、十一日、大田区の日本工学院専門学校・蒲田キャンパスで開催(入場無料)。十二日から十六日までは渋谷区のシネマ・アンジェリカで開催される(有料)。入場料などの問い合わせは、クロスアーツ=(電)(3729)5608=へ。 (瀬口晴義)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070306/lcl_____tko_____001.shtml