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2007年03月06日(火) 00時00分

埼玉高速鉄道、1億円弱 黒字に朝日新聞

 経営再建中の県の第三セクター「埼玉高速鉄道」の今年度の償却前損益(経常損益から減価償却費を除いた額)が、1億円弱の黒字となる見通しであることが5日、分かった。まだ1500億円の有利子負債を抱えるが、単年度黒字は01年の開業以来初めて。今後、自治体からの補助金無しでの黒字化の達成と、車内広告やイベントなど鉄道事業以外の収入を増やすことを柱とした経営計画をまとめる方針。

 この日の県議会公社事業対策特別委員会で明らかになった。

 高速鉄道は杉野正・前社長時代に作った新中期経営計画で07年度までの償却前損益の黒字化を目標としており、05年度は達成にわずかに届かない5800万円の赤字だった。

 06年度は、浦和美園駅近くに大型ショッピングセンターが出来るなど沿線の開発が進み、1日あたりの輸送人員が前年度比で6400人増える見込みで、1億円弱の黒字が達成できるとしている。

 1月に就任した近藤彰男社長は、黒字化目標を1年前倒しで達成したことから、6月をめどに新たな経営計画をまとめていることを明らかにした。10年度までに、県と沿線のさいたま、川口、鳩ケ谷の3市から毎年受けている約9億4千万円の補助金無しで黒字化を達成することと、現在営業収入の3%に過ぎない鉄道関連収入を10%にまで上げることを柱とするという。

 近藤社長は「イベントや沿線の環境作りなど関連事業を強くすることで、長期的には運行収入にもよい影響が出る」と話した。

http://mytown.asahi.com/saitama/news.php?k_id=11000000703060001