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2007年03月06日(火) 08時34分

山崎パン、不二家を傘下に…株3分の1超取得へ読売新聞

 製パン最大手の山崎製パンが、資本提携を検討していた不二家を事実上傘下に収める方針を固めたことが、5日、明らかになった。

 すでに不二家の発行済み株式の15%程度を取得し、筆頭株主となる方針を決めていたが、取得比率を最大で3分の1超まで引き上げる方向だ。消費期限切れの原材料を使った洋菓子を製造・出荷して、消費者や取引先の信用を大きく損なっている不二家は、山崎パングループに入って信頼回復を図る。山崎パンは不二家をグループに加えて品ぞろえを増やすほか、「ペコちゃん」に代表されるブランド力を強化する。

 山崎パンは、自社が導入している米国の食品安全基準「AIB」の紹介などを通じて、不二家の販売再開を支援してきた。不二家は23日にケーキ類の販売を再開する予定で、山崎パンは再開を見届けた上で不二家との資本・業務提携を発表する。山崎パンの飯島延浩社長は「(自社と)違う分野を持っている不二家は大変魅力的だ」と、不二家をグループに加えることに意欲を示している。

 不二家への出資比率が3分の1を超えれば、株主総会で合併などの重要事項に対する拒否権が生じ、事実上、不二家の経営権を握ることになる。ただ、洋菓子などの販売不振が長引けば、当初は出資比率を15%程度にとどめ、業績回復をにらみながら出資比率を段階的に高める方針だ。

 不二家の2007年3月期の本業のもうけを示す営業利益は大幅な赤字となる見通しで、山崎パンは現状で不二家を子会社にすると、不二家の赤字を全額、業績に反映させなければならない。このため、当初は50%超の株式を取得して子会社にすることは避ける意向と見られる。

 今後は、山崎パン系列のコンビニ「デイリーヤマザキ」など約1700店舗で不二家商品を販売するほか、不二家のフランチャイズチェーン店向けの商品を山崎パンがOEM(相手先ブランドによる生産)で供給したり、山崎パンの配送網で不二家製品を共同配送したりするなど、業務面の提携も進める。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070306it01.htm