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2007年03月06日(火) 00時00分

定時制高夜間給食 自校調理方式取りやめ朝日新聞

 県は新年度から、18ある県立定時制高校のうち行徳、千葉工業、匝瑳の3校で新たに、これまで自校調理方式で提供してきた夜間給食を民間委託に切り替える方針を決めた。経費削減策の一環で、県議会に提出した07年度当初予算案に関連予算を盛り込んでいる。うち行徳高校では、変更を知らされた生徒たちが「手作りの給食を奪わないで」と存続を求め署名活動を始めている。

 県学校保健課によると、夜間の定時制高校は法律に基づき給食が必要とされ、従来は各校に栄養士と調理員を配置してきた。だが、財政難から県は02年度、調理部門の外部委託方針を決め、04年度に校舎を新築した千葉商業、06年度に3部制を導入した松戸南に導入している。

 手作り給食存続を求める声が現場で根強いため、条件の整った学校などから順次、変更していく方針。新年度からは3校のほか、新設の生浜でも外部委託による給食を始める予定だ。

 これに対し、毎日約100食を作っている行徳高校では、2月23日に方式の変更が伝えられてから、生徒の間から「給食は学校生活の支えなのに、なぜ県の赤字解消の対象になるのか」などの異論が相次いだ。

 生徒らが同日夜に緊急アンケートを実施したところ、約9割が外部委託に反対だった。このため、自校方式の存続を堂本知事に求める要望書を出す考えという。

 同校3年の金井千瑛さんと石津翔さんは「25分間の給食が、仕事を終えて通学する自分たちには大事な時間。『お疲れ様』『お代わりは』と家族のように体調を見て食事を出してくれる調理員さんの存在を評価してほしい」と話す。

 給食職員は生徒の体調に合わせて量を加減したり、遅れてきた生徒のために温め直すなど細やかな対応をしてきたといい、「今の質が維持できるのか疑問だ」などの声が上がっているという。

 同校の原田孝校長は「給食の教育効果は確かに大きい。できるだけ自校調理に近い内容にするよう配慮していきたい」と話している。

http://mytown.asahi.com/chiba/news.php?k_id=12000000703060002