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2007年03月06日(火) 00時00分

川崎市 賃貸料23%値下げ朝日新聞

  毎年値上がりする家賃システムが敬遠され、川崎市が多摩区中野島5丁目に建てた「特定公共賃貸住宅」で空き室が50%を超えている。引っ越しシーズンを前に、市は23%の家賃値下げに踏み切り、入居者を呼び込もうと躍起になっている。

(渡辺嘉三)

  問題となっているのは、市中野島多摩川住宅の2号棟(75戸)と3号棟(42戸)。両棟併せて52世帯しか入居しておらず、入居者から「ゴーストタウンみたい」という声まで出ているほどだ。

  2号棟は94年4月、3号棟は95年4月に入居が始まった。いずれも間取りは3LDK(71・6平方メートル)。家賃は所得月額に応じて2種類ある。1年早くできた2号棟の場合、所得月額が32万2000円を超える場合の家賃は12万9000円、以下の場合は10万3300円だった。しかし、安い方の家賃は、毎年3・5%ずつ上昇していた。

  ステップアップする家賃制度の影響で、99年度に10・3%だった2棟の空き室率は、徐々に上昇。02年度に29・9%、昨年末には55・6%にまで達してしまった。

  この間、市は03年度に家賃を14%減額、年2回だった定期募集を随時募集に切り替え、子育て世帯の入居基準を緩和した。しかし、思うように効果は出なかった。

  市は今回、外部による不動産鑑定や近隣の家賃相場を考慮し、3月分から23%の値下げに踏み切った。2号棟で12万9000円を払っていた世帯は9万9800円、10万3300円だった世帯は7万9900円になる。市は近隣へのチラシ配りなども予定している。

  安い方の家賃は、今後も毎年3・5%ずつあがっていく。3号棟に住む60歳代の主婦は「家賃が下がるのはうれしいけど、毎年上がるのが問題。2年に1回にして欲しい」と話していた。

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000000703060001