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2007年03月06日(火) 00時00分

米南東部の竜巻死者、20人に朝日新聞

 米南東部を中心に1日襲った竜巻による死者は、AP通信によるとアラバマ州で10人、病院が直撃を受けるなどしたジョージア州で9人、ミズーリ州で1人の20人に及んだ。アラバマ州のエンタープライズ高校では、生徒8人が崩れた校舎の下敷きになるなどして死亡するという破壊力のすさまじさだった。

 米海洋大気局によると、1日午前には竜巻注意報が出された。竜巻が直撃した午後1時5分の18分前には竜巻警報が出され、市もサイレンを鳴らして危険を知らせていた。

 AP通信によると、学校側は午前中に注意報が出た時点で生徒を窓から離れた建物の内側に集合させ、多くの生徒が親とともに学校を離れた。残りの生徒は午後1時に下校させる予定だったが、警報のために見合わせていて被災したという。

 現地を2日、視察したライリー州知事はメディアに「学校は一番安全と信じた廊下に生徒を集めており、対応は適切だった。これだけの竜巻に直撃されれば、どうしようもない」と語った。3日にはブッシュ大統領が被災地を訪問する予定だ。

 米国の竜巻は4、5月がピークで年間約1000個が観測される。米海洋大気局によると、竜巻による死者は熱波、洪水に次いで多い年間約60人で、落雷、ハリケーンを上回っている。竜巻の風速は瞬間で110メートル、時速400キロを超えることもある。巨大なものは幅1.6キロ、長さ80キロにわたって被害をもたらすこともある。

http://mytown.asahi.com/usa/news.php?k_id=49000000703060001