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2007年03月06日(火) 03時01分

平成電電、偽契約書を大量作成…出資金流用隠ぺいか読売新聞

 昨年6月に破産した「平成電電」を巡る巨額詐欺事件で、逮捕された元社長・佐藤賢治容疑者(55)らは、2005年10月に民事再生法の適用を申請した直後、投資家から集めた出資金で通信設備を購入した事実がないのに、実体のない通信機器販売会社から、購入したよう装った偽の契約書を大量に作成していたことがわかった。警視庁捜査2課は、多額の出資金を、同社の運転資金などに流用していた詐欺行為の発覚を防ぐため、書類上つじつまを合わせようとしたとみて追及している。

 平成電電の関連会社「平成電電システム」と「平成電電設備」は03年8月から、商法に基づく匿名組合を設立し、資金集めを開始。05年10月まで21回にわたり、約1万9000人から総額487億円を集めた。

 捜査2課の調べによると、佐藤容疑者らは04年10月までは、通信設備をメーカーなどから購入して平成電電に貸し付け、受け取ったリース料を投資家への配当に充てていた。

 しかし、同11月ごろからは、すでに平成電電に貸し付けた通信設備を、実体のない通信機器販売会社が買い上げ、新規に購入したように偽る工作を開始。05年2月以降、投資家の資金のすべてを偽装工作に充てていた。その後、同年10月までに集めた約300億円は、平成電電の運転資金などに流用されたとみられる。

 佐藤容疑者らは、民事再生手続きを申請した同年10月3日の直後、出資金で通信設備を購入したとする契約書などを急きょ作成していた。捜査2課は、匿名組合が悪用され、通信設備を購入していなかった事実が、投資家に公表されなかったとみている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070306i201.htm