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2007年03月06日(火) 00時00分

検察が懲役10年求刑 業務上横領の元税務署員に 東京新聞

 資産家の女性二人から預かった現金など計約二億三千万円を横領したとして、業務上横領の罪に問われたさいたま市南区、元新宿税務署員近藤忠伸被告(52)の論告求刑公判が五日、千葉地裁(山田直之裁判官)であり、検察側は「税務署職員の身分を悪用した悪質な犯行」として、懲役十年を求刑した。

 論告によると、近藤被告は元保険外交員吉田宣子被告(36)=同罪で公判中=と共謀し二〇〇〇年十月十二日から〇三年十月三十一日までの間、東京都世田谷区の女性から預かった養老終身保険のカードを使い、現金自動預払機(ATM)から五十六回にわたって保険契約貸付金を引き出し、計約一億四千五百万円を着服した。また〇四年四月には、松戸市の女性から生命保険の加入金名目で預かった約八千七百万円を着服した。

 弁護側は弁論で、松戸の事件は近藤被告が女性に六千万円を支払って和解が成立しており、世田谷の事件は「約一億五千万円の贈与について女性は承諾しており、横領ではない」として、無罪を主張した。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/cba/20070306/lcl_____cba_____002.shtml