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2007年03月06日(火) 15時02分

<平成電電投資詐欺>ペーパー会社を使い適正運用を仮装毎日新聞

 経営破たんした「平成電電」(東京都渋谷区)の投資詐欺事件で、出資金の募集や運用を受け持っていた「平成電電システム」(千代田区)など関係会社2社が、帳簿上、ペーパー会社を使って適正な資金運用を仮装していたことが警視庁捜査2課の調べで分かった。2社は、平成電電向けリース機器の購入名目で出資を募っていたが、破たん前に集めた300億円は平成電電の運転資金などに流用されたことがすでに判明。経理帳簿ではぺーパー会社から機器を買ったと記載されており、同課は不正流用の隠ぺい工作だったとみている。
 このペーパー会社は04年3月、平成電電と同じビル内に設立され、同社元社長の佐藤賢治容疑者(55)=詐欺容疑で逮捕=が取締役を務めたこともある。コンピューターソフト開発などを事業目的としているが、事業実体はないという。
 調べでは、いずれも熊本徳夫容疑者(54)=同=が社長だった関係会社「平成電電システム」と「平成電電設備」(千代田区)は03年9月、平成電電にリースする通信機器の購入費名目で出資の募集を開始。当初は大手電機メーカーから機器を購入し、名目通りに資金運用をしていた。
 ところが平成電電の電話事業が行き詰まると、同社の運転資金や配当など別目的への流用が始まり、05年1月以降は、名目通りの機器購入の実績はゼロになった。しかし帳簿上はこの時期も機器購入を続けたとされており、取引相手は大手メーカーなどに代わり、すべてがペーパー会社になったという。
 平成電電は06年6月、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。同課は、破産手続きなどに向け、帳簿が投資家に公表されることを見越して佐藤容疑者らが帳簿上の仮装行為を主導したとみている。【川辺康広、鳴海崇】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070306-00000055-mai-soci