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2007年03月05日(月) 10時01分

HIV汚染全国2位なのに対策費減額日刊ゲンダイ

 最近はあまり大きなニュースにならないが、HIV感染者・エイズ患者は相変わらず増え続けている。ところが厚労省統計の過去3年間の都道府県別の感染・患者比率を見ると奇妙なことに気付く。1位の東京は当然としても、2位は大阪や神奈川ではなく長野県。06年の届け出数は感染者・患者合わせて27人で全国平均の1.6倍もある。教育県で知られる長野がなぜ? しかも村井仁県知事は「特殊な仕事に従事している人たちのこと」とエイズ対策予算を削減するという。大丈夫か長野県?
 教育県の長野は、県内にソープランドや風俗店は一軒もない。なのになぜHIV蔓延なのか。
「風俗店ゼロは建前です。実は県内には外国人パブなどで非合法営業が行われていたり、アジア旅行で“発散”する県民が後を絶たない。さらにHIV検査に対する認識がないため感染してもそのまま生活し続ける人が多いのです」(事情通)

 実際、東京都では発症前の検査で感染が判明した事例が届け出数全体の7割を超えているのに対し、長野県では発症してから初めて感染が判明する事例が6割に達している。
 HIVの潜伏期間は10年前後だから今後、発症する人が増える可能性が高いし、感染を自覚していない県民がさらに性交渉で感染者を増やすことも考えられる。
 だから田中康夫前知事もHIV検査の普及のために、18年度予算の対策費820万円を6月補正で上乗せして1269万円にしていた。
 ところが村井県知事は「特別な仕事に従事している人たちの間で非常に感染度が高いと承知している」「(田中知事は)非常に特殊なことを、大変、大きくお取り上げになった」と、県民とHIVは無関係であると明言して、来年度予算を995万円にしてしまったのである。
「厚労省は長野県を『重点的に連絡調整すべき都道府県』に指定していますが、この予算減額に困惑していて、これでは長野県のHIV感染者はさらに増えるのではないかと危惧しているのです」(事情通)
 県知事が「特殊な職業」と言ったおかげで、県民は「自分とは関係ない」と勘違いしたはず。長野県がエイズ日本一にならないことを願うばかりだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070305-00000006-gen-ent