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2007年03月05日(月) 10時01分

不二家 早すぎる販売再開に小売りは冷ややか日刊ゲンダイ

「新しい不二家に生まれ変わります。」——1日の桜井康文社長の「安全宣言」を受け、今日の新聞各紙にこんな広告が載った。
 スーパーなどで撤去が進んだチョコやクッキーなど菓子類に関して「安全宣言」したのは、業績の落ち込みに少しでも歯止めを掛けたいという思惑があったためだ。
 しかし、小売業界は、「品質管理の国際規格である国際標準化機構(ISO)9001の再認証を待ちたい」(セブン&アイホールディングス)など慎重姿勢を崩しておらず、販売再開が順調に軌道に乗るかどうかは不透明な情勢だ。
 不二家は、ケーキなど洋生菓子製造で期限切れ原料使用が判明したあと、菓子工場についても再調査する方針を表明した。これを受け、大手小売業では、「調査結果を見たい」とし、販売を見合わせる動きが相次いだ。
 不二家菓子工場のISO再認証は、2月上旬、審査機関が判断を保留する措置を決定。不二家は「再認証のためには製造ラインを動かす必要がある」(桜井社長)として、米国の食品安全基準「AIB」の導入を急ぎ、今回の安全宣言の根拠とした。しかし、小売り各社では、「当初予定通りISOの対応が必要だ」との声が支配的だ。
 ファミリーマートは、不二家の菓子3工場を視察し、品質管理体制の改善状況の説明を求める意向のほか、イオンも「商品の抜き取り検査を行う可能性もある」と話すなど、各社に販売再開を急ぐ考えはみられない。
 失墜した不二家ブランドをどこまで回復できるのか、菓子販売再開はその試金石になりそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070305-00000015-gen-ent