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2007年03月05日(月) 12時08分

<平成電電>元社長ら5人を詐欺容疑で逮捕毎日新聞

 経営破たんしたベンチャー系通信会社「平成電電」(東京都渋谷区)が通信器機購入名目で投資家から集めた資金をだまし取った疑いが強まり、警視庁捜査2課は日、同社元社長、佐藤賢治(55)▽平成電電システム元社長、熊本徳夫(54)▽平成電電元役員、竹村文利(40)ら5容疑者を詐欺容疑で逮捕した。同課は、同名目で05年1月以降、約1万3000人から集めた資金約300億円が実際には通信機器購入に回されなかったとみて使途などを追及する。
 調べでは、平成電電と平成電電システムは、通信機器を購入する名目で投資家から出資を募っていたが、05年8月に練馬区に住む男性ら3人から集めた計1億円について、通信機器を購入せずだまし取った疑い。同社の運転資金に流用していたとみられている。
 平成電電は90年7月設立。03年8月から05年9月にかけて、年8〜10%の高率をうたい、通信機器購入名目で投資金を募っていた。投資金は平成電電システムに入り、同社が機材を購入して平成電電にリースする形をとっていた。投資家に対しては、平成電電がシステムに支払うリース代金から配当が支払われるとしていた。
 平静電電は同じ名目で1万9000人から約490億円の投資金を集めたが、同課は、このうち05年1月以降は投資金が機器の購入資金に回されていなかったとみて、全容解明を急ぐ。
 平成電電は05年10月に東京地裁に民事再生法を申請。事実上破たんした。【石丸整、鳴海崇】
 ◇出資者、捜査に期待
 平成電電の元社長、佐藤賢治容疑者と、同社への出資を募った2社の元社長、熊本徳夫容疑者らの逮捕に、出資者からは驚きともに真相解明を求める声が相次いだ。
 500万円を出資した横浜市の会社員は「一時は、泣き寝入りも覚悟したがこれでようやく巧妙なだましの手口が解明される」と今後の捜査への期待を語った。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070305-00000042-mai-soci