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2007年03月04日(日) 00時00分

江戸東京博物館でタイアップ企画展 映画『あかね空』の世界紹介 東京新聞

 時代小説家・山本一力さん原作の映画「あかね空」の世界を紹介する特集展が、江戸東京博物館(墨田区横網一)で開かれている。映画とタイアップした企画展示を、同博物館が開催するのは初めてという。映画で実際に使われた江戸・深川の長屋のセットや衣装などを展示して、江戸庶民の暮らしぶりを紹介している。

 小説「あかね空」は、二〇〇二年の直木賞受賞作品。深川蛤町の裏長屋で豆腐屋「京や」を営む夫婦を主人公に、夫婦愛や人情、家族の絆(きずな)を描いた。原作にほれ込んだ名匠・篠田正浩監督が、映画化を企画。同監督の下で学んだ浜本正機監督がメガホンをとり、主人公の夫婦役を内野聖陽さんと中谷美紀さんが演じている。三十一日から全国で公開される。

 同博物館学芸員で広報課長の板谷敏弘さんは、「目に見えるものだけにこだわらず、江戸庶民の人情、心の内を具現化して紹介する。その手段として映画に限らず、いい題材があれば、どんどんタイアップした企画をたてたい」と話している。

 展示は、五階常設展示室の一角。セットを囲む展示ケースでは、「あかね空」の舞台となった江戸・深川にスポットを当て、深川発祥とされる勧進相撲や火消し、周辺の名所に関する資料の展示や、江戸時代のベストセラー料理本「豆腐百珍」などを通して、江戸の食文化も紹介している。

 「映画『あかね空』の世界〜江戸の食と深川〜展」は五月二十七日(出演者衣装の展示は四月一日)まで。同博物館は観覧料一般六百円。休館日は月曜(ただし四月三十日、五月十四・二十一日は開館)。JR総武線・都営大江戸線両国駅下車。(電)(3626)9974。 (丹治早智子)


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070304/lcl_____tko_____000.shtml