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2007年03月04日(日) 16時45分

連絡帳にカルテ記入法読売新聞

病院、眼圧検査は否定

店員らが引き継ぎに使っていた連絡ノート
 川崎市川崎区の市立川崎病院の眼科外来で、市と契約を結んでいない民間眼鏡店チェーンの店員が20年以上、患者の視力検査を続けていた問題は、公立病院のずさんな運営実態を強く印象づけた。読売新聞が情報公開で入手した店員らの引き継ぎ用連絡ノートには、カルテの記入を指示したり、その方法を図示する部分もあり、市は「部外者が医療行為をおこなっていたとすれば、医師法に触れる恐れがある」とし、告発も視野に調査を急いでいる。

 問題のノートは横書きで、日付のあとに引き継ぎが個条書きされている。その中に「これから初診の方は上のようにカルテに記入して下さい」との記載があり、カルテへの記入法を図示してあった。

 また、眼圧検査を指す「NCT」という用語を使い、「老検の場合はNCT必ず測定する」「再来患者は視力とNCT」という記載もあった。

 市によると、眼圧検査は医療行為に当たる可能性があるといい、医師、医師の指示を受けた看護師、視能訓練士らでなければできないとされている。

 店員を派遣していた眼鏡店チェーン「オグラ」(東京都千代田区)によると、交代で検査した店員の中にこれらの資格を持った者はいなかった。

 市立川崎病院は、3日の記者会見で「(店員は)眼圧検査をやっていない」と説明。これに対し、病院を監督する市地域医療課では「市民が納得できる説明がないならば告発も検討せざるを得ない」と徹底追及の構えを見せている。

 市は同病院に文書で経緯を説明するよう求めており、今後、さらに詳しい調査も行う方針。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news001.htm