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2007年03月04日(日) 00時00分

市立川崎病院 眼鏡業者が視力検査 東京新聞

 川崎市は三日、市立川崎病院(川崎区、秋月哲史院長)の眼科外来で、民間の眼鏡会社の社員が二十年以上、患者の視力検査をしていたと発表した。検査の際、病院は患者のカルテを社員に渡していた。市は、同社社員が院内で、営業活動や、医療行為である眼圧検査をしていた可能性も高いとして、病院に厳重な調査を指示。同市の角田誠地域医療課長は「納得いく回答が得られなければ刑事告発も検討する」としている。

 視力検査をしていたのは、眼鏡会社「オグラ」(東京都千代田区)の社員。同病院の眼科外来では、医師の診察室と、視力や眼圧を検査する視能訓練士のブースの間に、オグラ用のブースが設けられ、社員五人が日替わりで検査を行っていた。社員らは、持参の白衣姿で病院内を歩いていたという。

 市が一月二十四日、定例の立ち入り検査をした際に、視能訓練士や看護師と社員との連絡ノートに、社員にカルテを渡したり、眼圧検査を指示したような記述を見つけたという。

 正当な理由がない場合に医師が患者の秘密を漏らすことは禁じられており、市は「公立病院で民間業者が検査を行うことはあってはならず、刑法や医師法、医療法に抵触する可能性がある」(同課)としている。

 一方、病院側も同日、記者会見し、二十年以上オグラ社員による視力検査が行われ、眼鏡を希望する一部の患者に、医師が同社のブースを紹介していたことを認めた。

 ただ、同病院の鈴木康夫事務局長は、オグラ社員が眼圧検査を行っていた可能性について「医療行為は行っていない」と否定。「患者の利便性を考え、院内に業者がいる方がよいと考えた。営業活動を認めていた訳ではない」と述べ、便宜供与は行っていないとした。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070304/mng_____sya_____006.shtml