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2007年03月03日(土) 15時49分

1億超支払い事前合意読売新聞

太田・紹介料返還命令

県の加藤光治総務担当理事(左)から、業務是正措置を通知される太田市の樋沢三四郎土地開発部副部長
 太田市土地開発公社と社団法人県宅地建物取引業協会太田支部との間の「紹介成立料」問題の調査結果が2日、公表された。調査をした県は同日、公社理事長の清水聖義太田市長に対し、架空紹介で公社に多額の損害を生じさせたとして約8613万円を公社が同支部に返還させるよう業務是正措置を命じた。県は、市への通知で、当時の公社幹部と支部長とで1億円超の支払いについて事前合意があったとし、「法的根拠を欠いた『共同販売』を企画、実行した公社幹部の責任は極めて大きい」と指摘、徹底した調査と市長を含めた責任の明確化も求めた。

 不適正額は、公社が住宅団地「パルタウン城西の杜(もり)」分譲の際、支部に支払った紹介成立料1億317万円(513区画分)のうち427区画分で、金額、件数ともに支払額の8割を超えた。このうち約7453万円は当時の支部役員の3社で分配。6553万円を受け取った前支部長は先月、病死している。

 協定書では、顧客が土地購入を申し込む段階で、業者が紹介したことを証明する紹介通知書を添付するように定めている。県の調査によると、公社は、業者を介さずに直接申し込んできた顧客の分も、顧客名と購入区画を記入し、業者名を空欄にした紹介通知書を支部に渡し、支部が業者名を記入する架空の紹介通知書を提出させていた。

 県は、公社幹部と支部長が1億円超の支払いで事前に合意していたことを取り繕うために「紹介があったと偽装した」と認定。県市町村課の武井昭信課長は記者会見で、「法的根拠のない架空紹介だ」と厳しく指摘した。3社への分配金についても「業務上横領の可能性がある」とした。

 また、武井課長は、太田市が是正措置を実施しない場合には、公有地の拡大の推進に関する法律の虚偽報告で刑事告発することも検討していることも明らかにした。

■清水・太田市長「県指導に沿う」■

 県の命令について、清水市長は、「公社の職員と相談し、県の指導に沿って対応したい」とする一方で、紹介実態を偽装したとの指摘については「(支部と)共同で販売したことは間違いない」と従来の主張を繰り返した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news001.htm