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2007年03月03日(土) 14時34分

都内8区長、不適正交際費118万円…パーティー券も読売新聞

 東京23区のうち8区の区長が2005年度、政治資金パーティー券購入や政治家・政党主催の会合参加費などに交際費から計118万4500円(147件)を支出していたことが読売新聞の集計で分かった。

 地方自治体の首長交際費によるパーティー券購入などについては、「行政の政治的中立性を損なう」として違法とする高裁段階の判断もあり、区長交際費のあり方が問われそうだ。

 読売新聞が05年度の区長交際費の支出状況を23区に情報公開請求するなどし、奈良県西吉野村(現・五條市)の村長(当時)の交際費支出を巡り、大阪高裁が02年12月、「違法」との判断を示した〈1〉政治資金パーティー券〈2〉政治家の会合〈3〉政党の会合——への支出があるかどうか調べた。

 この結果、北(36件、25万7000円)、中央(31件、41万7000円)、葛飾(29件、12万7500円)、大田(22件、20万4500円)、品川(13件、8万1000円)、江東(11件、5万7500円)、板橋(4件、3万円)、台東(1件、1万円)の8区の区長が支出していた。

 このうち国会議員や政党の政治資金パーティー券を購入していたのは北(6件、8万円)、大田(7件、9万5000円)、中央(2件、2万円=返還済み)など江東を除く7区長で、総額23万円だった。

 大阪高裁判決では、政治資金パーティー券購入、政党の定期大会への会費支出、政治家の「出陣祝い」などは「行政の政治的中立を害する行為」として違法と判断、村長に返還を命じた。ただ、政党や議員個人の主催する会合への支出については、一部を合法とする判決も出ており、統一的な司法判断はまだない。

 中央区の矢田美英区長は「長年の制度として交際費を出していたが、改めたい」とし、大田区の西野善雄区長も「見直すべきは見直すという視点に立って対応したい」と話している。

 首長の交際費問題に取り組む石川量堂弁護士は「首長が顔つなぎのために特定の政治家や政党側に公費を支出するのは、官官接待に構図が似ている。税金で賄われる交際費の使い方として不適切だ」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070303i305.htm