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2007年03月03日(土) 10時00分

引退表明の円楽が言い切った重み日刊ゲンダイ

 三遊亭円楽(74)の異例の引退表明で落語界に動揺が広がっている。
 円楽は25日の国立名人会に臨み、引退をかけて「芝浜」を披露。以前からこのデキ次第で進退をはっきりさせることをほのめかしていたが、高座直後の引退発表は初めての出来事で、周囲も驚きを隠せない。
 ところで、これで気になるのが“四天王”といわれ、国民的な人気だった大御所の円楽が去った後の落語界だろう。これから落語界を背負って立つのはだれなのか。
 実は円楽は自らの引退を意識していたのか、後継者を“指名”するかのような発言を行っていた。ズバリ、将来の落語界を担うのは春風亭小朝(51)というのだ。
 円楽は「週刊朝日」の2月16日号でインタビューに応じている。「円楽大いに語る」というタイトルで「芝浜」に臨む覚悟を語り、最後に「いま天才を感じる噺家はいますか」という質問にこう答えている。
「前は志ん朝。今だったら(春風亭)小朝でしょう……小朝は芸はもちろん、企画力、指導力もある。21世紀は彼のものです……小朝くんをもり立てていかなかったら、落語界の将来はありません」
 円楽と小朝は一門が違う。それでも、将来を任せられるのは小朝しかいないと考えたのだろう。
 芸能評論家の松尾羊一氏がこう言う。
「芸が優れている点、人間関係や人当たりのよさなどどれをとっても、今は小朝の右に出る者がいません。彼は人気もすごい。市民ホールなどで年間何百もの公演をこなしていますが、切符が手に入らないほど。円楽は落語界に派閥があることを承知で、器量人は小朝しかいないと言いたいのだと思います」
 小朝は先日、夫人の泰葉と久々にテレビで共演して、襲名のことなどを話題にしていた。周囲の評価の高まりとともに機は熟したという見方もできるようだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070303-00000002-gen-ent