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2007年03月03日(土) 00時00分

坂戸「すみよし桜」 満開近づく朝日新聞

 ◇住民ら休耕田を再生◇

 坂戸市塚越の飯盛川の土手にある「すみよし桜」がほころび始めた。地元の園芸愛好家らで作る「すみよし花卉(か・き)愛好会」が4年前に植えた。無料の駐車場や休憩所、仮設トイレも手弁当で整備した。会員らは1週間後にも予想される初の満開を心待ちにしている。(加賀谷直人)

 一帯は以前、休耕田で雑草がはびこり荒れ放題だった。「草退治を兼ねて花を植えよう」と、近所の人たちが愛好会を立ち上げた。2メートルほどの河津桜150本を1キロメートルの間に植えた。近くにある住吉神社にちなんで「すみよし桜」と名づけた。

 昨年も花をつけたものの、まばらだった。樹高が3メートルほどになった今年は花芽がたくさんついた。現在は3分咲き程度だが、花芽がついた枝が濃いピンク色に見える。先週末は口コミで知った人たちが大勢訪れた。

 そうした人たちを温かく迎えたいと、会員らは周辺の整備に力を入れている。鉄骨組みの休憩所は鉄工会社の会長を務める小島敏司さん(72)が材料を持ち込んで組み立てた。近くに土地を借り、60台分の駐車場も整備した。35人の会員が接待役も務める。

 桜だけではない。1500平方メートルの休耕田に植えたショウブは20種7万本。レンギョウ、アジサイもあり、季節の花が一帯を彩る。「花の里」にするのが会員の夢だ。

 「すみよし桜」の見ごろがいつになるのか、初めてなので誰にも分からない。小島さんは「3月の10日から15日くらいかも」と予想する。

 矢沢儀一会長は「花を見て喜んでもらえるのが何よりうれしい。土地を無償で貸してくれる地域の人たちの協力があってこそできることです」と話していた。

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