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2007年03月03日(土) 00時00分

厚木市議会 小林市長へ辞職勧告朝日新聞

  厚木市議会は2日、小林常良市長に対する辞職勧告決議案を13対12の僅差(きん・さ)の賛成多数で可決した。陣営幹部らによる市長選の選挙違反事件を受け、「責任は重大」と決議した。法的な拘束力はなく、小林市長は決議後、取材陣に「市政運営に全身全霊で取り組む」と述べ、辞任しない考えを示した。

(須田世紀)

  市議会の定数は28で、議長のほか、県議選に立候補するため、この日辞職願を許可された議員、退席した共産党議員(1人)を除く25人で、挙手と起立による採決がおこなわれた。

  市長選で敗れた山口巖雄・前市長を推した自民党系の最大会派(8人)と公明党会派(5人)が賛成。選挙戦で小林市長を推した第2会派(4人)と、神奈川ネットワーク運動の会派(2人)、民主党会派(1人)を含む残りの計7会派は賛成しなかった。

  決議は「市民の信頼を裏切り、市のイメージを失墜させた。市民の選挙や行政に対する不信感は、小林市長が今後行政運営を進める上で、大変困難と予測されるのと同時にその責任は重大」とし、小林市長の責任を指摘している。

  採決に先立っておこなわれた討論では「連座制に抵触していないのに辞職勧告をするのは世論に背く」と決議に反対する意見も出た。

  ■「市政、全身全霊で」小林市長一問一答

  辞職勧告の決議後、小林市長が取材陣に語ったのは以下の通り。

  ——辞職勧告決議が可決されたが。

  議会の意思として、真摯(しんし)に受け止めている。

  ——勧告を受け、辞職の考えはあるのか。

  市民の皆様のために働かせていただく。全身全霊で市政に取り組まなければならない状況なので、これまで以上に議会の皆様のご理解をいただきながら、市民に視線を向けてしっかりとやっていきたい。道義的責任も含め、それがいま一番やらなければならないことだと思っている。

  ——市長給与削減など自身の処分の考えはあるか。

  まず事務執行をしっかりやることを考えなければいけない。それ以上のことは、いま考えていない。

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000000703030005