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2007年03月03日(土) 00時00分

服役後冤罪判明 自供の被告 罪状認める朝日新聞

 強姦(ごう・かん)と強姦未遂事件で逮捕され実刑判決を受けた県内の男性(39)が服役後に冤罪とわかった問題で、この2事件を自供し起訴された松江市の無職大津英一被告(51)の公判が2日、富山地裁高岡支部(藤田敏裁判長)であった。大津被告は2事件について「私がやったことに間違いありません」と起訴事実を認めた。この問題で富山地検高岡支部は2月9日、富山地裁高岡支部に男性の無罪を求めて再審請求をしている。

 冒頭陳述と起訴状によると、大津被告は02年1月14日、県内の女性宅に侵入し女性にナイフのようなものを突きつけ、針金状のもので手を縛るなどして強姦したとされる。当日、事前に酒屋を装って電話し、「届け物がある」などと言って女性に鍵を開けたままにさせ土足で侵入したという。

 同年3月13日には県内の別の女性宅に侵入し、ナイフのようなもので脅すなどして強姦しようとしたとされる。玄関先で誰かに追われているように装い、女性が1人であると確認した上で、土足で家に上がり込んだという。

 公判を傍聴した男性の兄は「弟が犯人でないことは前から分かっていたこと。大津被告が冤罪についてどう考えているか聞きたかった」と話した。

 大津被告は今回までの公判で2事件を含む12件の罪をすべて認めており、富山地検高岡支部は今月中にさらに別の2件を追起訴する方針。

 大津被告は昨年8月に強制わいせつの疑いで鳥取県警に逮捕され、昨年11月に2事件を自供。富山県警の再捜査で、事件現場にあった足跡が大津被告の足跡と一致したほか、男性宅の電話の通話時刻と犯行時刻が近く男性にアリバイが成立することがわかった。県警は男性を無実と判断、今年1月19日に大津被告を再逮捕した。

http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000000703030003