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2007年03月03日(土) 00時00分

暖冬異変? 平均気温、半数の観測点で最高朝日新聞

 今冬(昨年12〜2月)の県内の平均気温が、静岡や浜松市など半数の観測地点で観測史上最高を記録したことが、気象庁のまとめでわかった。この冬は記録的な暖冬だったことが裏付けられた。モンシロチョウも平年より2週間ほど早く姿を見せ、大学構内の早咲きのサクラは満開。百貨店では冬物の売れ行きは悪く、春物商戦も前倒しで始まっている。

 気象庁によると、平均気温が観測史上トップだったのは、県内6観測所のうち静岡(9・1度)、浜松(8・5度)、御前崎(9・3度)の3カ所。いずれも平年値を2度近く上回り、静岡は72年(8・8度)以来、浜松は79年(8・4度)、御前崎も79年(9・0度)以来の記録を塗り替えた。

 三島は7・9度で、過去最高の93年とタイ記録。網代は8・8度で、79年(9・1度)以来2番目、石廊崎も10・0度と79年(10・5度)などに次いで過去3番目を記録した。特に2月は暖かく、平均気温は各地とも平年より2・1〜3・1度高くなった。

 函南町では1日、モンシロチョウがお目見えした。平年より2週間以上も早い。

 モンシロチョウを見つけたのは、三島市の静岡昆虫同好会員、加須屋真さん(52)。1日午後2時ごろ、函南町上沢の保育園南側にある田んぼで植物観察中、あぜ道に止まっている1羽を見かけた。「まだ動きが鈍い感じで、飛び立っては近くに止まる動作を繰り返していました」

 静岡地方気象台が、季節によって変化する動植物の現象をまとめた「生物季節観測」によると、モンシロチョウの「初見」は平年が3月17日。最も早かったのは65年の2月20日で、最も遅かったのは81年の4月11日だった。

 チョウやガを研究する日本鱗翅(りん・し)学会長を昨年まで務めた静岡市葵区の高橋真弓さん(72)は「モンシロチョウは3月上旬には見られるので、驚くほどではないが、早い方だと思う。暖冬の一つの根拠にはなるでしょう」と話している。

 一方、静岡市駿河区大谷の静岡大学静岡キャンパスの一角で、早咲きのサクラが咲き始めている。木によってはほぼ満開のものもある。

http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000000703030005