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2007年03月02日(金) 10時00分

日興社員のホンネ日刊ゲンダイ

「東証は旧経営陣が関与した悪質な不正だという見方を強めている。上場廃止が濃厚」(証券関係者)
 兜町ではこんな声しきりなのに、(26日)の日興コーディアルの株価は、ストップ高の大商い。“シティ効果”である。
「みずほが受け皿になるといわれ続けていたのに、突然シティに変わった。あれ〜っ、という感じ。このままシティで落ち着くんでしょうか」
 事態の急展開ぶりに中堅社員は戸惑い気味。ただ、シティの登場をどちらかといえば「好感」している。
「98年にシティと初めて資本提携した時は、『これからどうなってしまうんだろう』と不安でいっぱいでしたが、今回は2度目。全く接点がなかった前回よりは比較的受け入れやすい。それに、シティはリテールにはあまりギャーギャーうるさいことは言わない株主でしたから。そのスタンスが変わらないことを期待しています」
 別の管理職は「みずほよりマシ」と安堵する。
「みずほ傘下になれば、リテールは新光証券、ホールセールはみずほ証券に完全に手足を縛られる。出世も諦めなければならない。もともとメガバンクがイヤで親密だった三菱を離れシティと手を組んだわけですから」
 現経営陣の思いも同様らしい。
「進駐軍に完璧に従うつもりのようです。シティの在日代表のダグラス・ピーターソン氏のことを“マッカーサー元帥”と呼んでいるぐらいですから」(社内事情に詳しい金融ジャーナリスト)
 シティの目的はハッキリしている。
 法令違反で富裕層向けビジネスの撤退を余儀なくされたり、貸金業法改正のあおりで消費者金融の規模を縮小したりと、最近は逆風を真正面から受けていた。日本市場での反転攻勢に、弱体化した今の日興は使える。今なら出資金も少なくてすむ。
 3月初めには米国から担当者が来日し、交渉がまとまる見通しとも伝えられている。
 ところで、日興に“嫌われた”みずほ。経営幹部は「まだ諦めない」と作戦練り直しを指示したが、「敵対的TOBでもかけるのか」と現場には厭戦ムードが漂っているとも。一部では協調路線でシティとの提携を模索する動きも浮上しているという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070302-00000014-gen-ent