厚木市長選で初当選した小林常良市長派の陣営幹部らによる選挙違反事件を受け、「市のイメージを大きく失墜させた」などとして、厚木市議が1日、小林市長に対する辞職勧告決議案を市議会に提出した。2日から始まる定例市議会の会期中に採決され、選挙戦で前市長を応援した市議らの賛成多数で可決される見通しだ。市長は辞職する必要はないものの、議会との溝は深まりそうだ。
(須田世紀)
提出者は、最大会派民政クラブ代表の久崎教生議員。ほかに、議長を除く同会派の市議8人も賛成者として名を連ねた。決議案では「市民の選挙や行政に対する不信感は、小林市長が今後行政運営を進める上で、大変困難と予測されると同時にその責任は重大」などとしている。
決議案は本会議に出席した議員の過半数が賛成すれば、可決される。厚木市議は28人で、民政クラブの9人のほか、公明党市議員団5人が賛成する見通し。両会派とも、1月の市長選では前市長を応援していた。
久崎議員は提出理由を「市民は納得しない。議会としての姿勢を示すべきだ」と説明。賛成する予定の公明党厚木市議員団の関戸順一代表は「選挙を熟知した人たちが起こした騒動。一度お辞めになって、選挙で出直すべきだ」と話している。
小林市長は朝日新聞の取材に「具体的な内容について把握していないので、コメントは控えさせて頂きたい」と答えた。
小林市長派の選挙違反事件では、選対総本部長だった小沢金男・元県議会議長ら8人に対し、横浜簡裁が公職選挙法違反(供応買収、受供応など)の罪で罰金と公民権停止の略式命令を出し、全員が罰金を納めた。
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