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2007年03月02日(金) 00時00分

たけし流エールに東知事タジタジ朝日新聞

 そのまんま東宮崎県知事(49=本名・東国原=ひがしこくばる=英夫)が1日、都内で行われた「東京スポーツ映画大賞」の授賞式に出席し、約3カ月ぶりに師匠のビートたけし(60)と対面した。「自転車泥棒」「デリバリーヘルス」など忘れたい過去? を突かれるなど手荒い祝福にたじたじとなったが、「こういうやつがね、県知事やんなきゃダメなんだ」というたけし流のエールを受け「感動、感激しました」と笑みを浮かべた。

 たけしが審査委員長を務める「東京スポーツ映画大賞」の授賞式。山本モナアナウンサー、石原真理子らとともにエンターテインメント賞の特別賞を受けた東氏は、壇上で師匠から手荒い“祝福”を受けた。

 まず、壇上に登場した東氏がこの日、鳥インフルエンザ終息宣言したばかりの宮崎名産の地鶏を取り出すと、たけしは「鳥インフルエンザのやつ?」「これ食べると体がしびれちゃう」と、笑えないジョーク。お笑いタレントなら切り返したいところだが、タレント活動から引退した東氏は苦笑い。司会のガダルカナル・タカの「インフルエンザは問題ない鳥です」というフォローに、ほっとしたような笑みを浮かべた。

 さらに、たけしが表彰状を読み上げ「あなたは、元たけし軍団の底力と県政にかける情熱…。そして自転車泥棒!」とやると、場内は大爆笑。タカが「ずいぶん昔のことですから」と和らげると、たけしは続けて「デリバリーヘルス!」。少女からサービスを受けたとして自主謹慎した98年の「イメクラ事件」を想起させるようなキツ〜イ1発。東氏のほおは一瞬、引きつり気味になった。

 東氏の芸名を「2代目」として引き継ぐことになったベナン共和国出身のゾマホンが花束を持って登場。たけしは「お前(東氏)は帰ってくるときは3代目だ」。タカが「帰ってくるんですか」と返すと、たけしは「3カ月で帰ってくるかも分かんねえ」。「今のしゃべりができりゃあ、もっと売れたのになあお前。知事になったら、しゃべりがうまくなったな」。知事就任後初めて「父親であり、人生の師匠」と尊敬するたけしの毒舌に接した東氏は時折戸惑いの表情を浮かべるも、うれしそうだ。

 「こういうやつがね、県知事やんなきゃだめなんだって。変えなきゃいかんとですよ」と、たけしが振ると東氏は深く頭を下げ「県民を代表してお礼申し上げます」と手堅くあいさつを締めた。帰り際には「久しぶりにお会いして感動し、感激しました。(たけしの手は)温かくて、軟らかかった」と言い、慌ただしく宮崎へ向かった。

http://www.asahi.com/culture/news_entertainment/NIK200703020010.html