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2007年03月02日(金) 00時00分

連帯責任と説明 「山本氏支援皆同じ」朝日新聞

  村議がいなくなった。小菅村議がかかわった公選法違反事件を受け、村議会(定数10)は1日、議員全員が突然、総辞職するという事態に発展した。新年度の予算審議などを予定していた山あいの小さな村が揺れた。(西村悠輔、高野裕介)

■残る議案「専決処分で」

  「多くの村民に心配や迷惑をかけ申し訳ない。深く反省している」。村議会の散会後の記者会見で、古家清光(ふる・や・きよ・てる)議長は頭を下げた。古屋金男副議長ら2村議とともに、村民約20人(うち村議5人)に飲食を振る舞い、投票を依頼したとして、自らも県警に供応容疑で書類送検されている。

  書類送検されていない2人も含む村議全員が辞職した理由について、「知事選で、山本栄彦前知事を支援していたのは皆同じだった。全員が道義的責任を感じており、ある意味で連帯責任のようなものだ」と説明した。さらに全員が山本氏を応援したことには、「(大月市に抜ける)松姫トンネルの工事に着手してくれた。村のことを考えてくれた」と答えた。

  午前中、規約変更など4議案の審議は滞りなく可決。一方で、総辞職する意向は、休憩中に非公開だった全員協議会で決めたという。村議の一人によると、「反対意見は出なかった。全員の総意で責任を取る方向でまとまった」という。「もともと辞めるつもりだった」との声もあった。午後2時に審議が再開した直後、10人から辞職願が相次いで提出され、そのまま了承された。

  3月議会をめぐっては、公選法違反事件が発覚した2月以来、開催時期が決まらず、混乱が起きていた。古家議長ら議員幹部とも連絡が取れなくなり、広瀬文夫村長は2月23日、例年より1週間ほど前倒しして議会の招集を決めた。仮に起訴され、罰金刑が確定すれば、村議の大半にあたる8人が失職、議会が成立しない可能性もあったからだ。

  来月、村では統一選の後半戦(4月17日告示、22日投開票)も予定されている。今回のケースでは臨時特例が適用され、選挙日程は変わらないが、約1カ月半の間は議員がいなくなる。

  広瀬文夫村長は「事前の話もなく、突然のことだった。残りの議案は専決処分などで行い、今後、村政が1日も停滞しないようにしたい」と話した。

http://mytown.asahi.com/yamanashi/news.php?k_id=20000000703020002