捜査本部が摘発した窃盗グループは、カードを盗み出す役、暗証番号を聞き出す役、現金自動出入機(ATM)で現金を引き出す役などに分かれていた。
カードを盗む役は中国人で住所不定、無職蘇山海受刑者(49)=懲役5年の判決が確定=ら。首都圏や中部地方で、マンションなどにサムターン回しと呼ばれる手口で侵入。キャッシュカードとともに、免許証など暗証番号を推測できるものもあわせて盗んでいた。捜査本部は、実行グループは複数あるとみている。
盗み出したカードの暗証番号がわからない場合、聞き出し役が盗難の被害者宅に警察官を装って電話。「キャッシュカードが盗まれていないか」と被害を確認し、「こちらから銀行に連絡しておきます」と告げる。その後、別の女らが銀行員を装って電話し、「口座を止めるからコールセンターに電話してほしい」と要請し、指定した電話番号に電話させ、暗証番号を聞き出していたという。
偽のコールセンターはフリーダイヤルを使って開設するなど、入念に準備していた。日本人のほか、日本語の巧みな中国人が聞き出し役をしており、中国人がこのグループをとりまとめていたとみられている。
現金引き出し役は主に日本人とされる。聞き出し役から暗証番号を伝えられると、すぐにカードを持ってATMに向かっていた。日本人は、地理の分からない盗み役の中国人のために、運転役もこなしていたという。
http://www.asahi.com/national/update/0302/TKY200703020254.html