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2007年03月01日(木) 08時32分

日興CGの資本提携 カギ握る海外ファンド 相次ぎ株買い増し4社で25・8%にフジサンケイ ビジネスアイ

 ■支援企業に障害の恐れも

 不正会計問題で上場廃止の危機に立っている日興コーディアルグループ(CG)の経営の行方について、海外投資ファンドの意向がカギを握る可能性が出てきた。米投資会社のハリス・アソシエイツ・エル・ピーが28日に関東財務局に提出した大量保有報告書によると、同社は2月22日までに日興CG株を大量に買い増し、出資比率を6・15%から7・23%に高めて筆頭株主に浮上。すでに日興CG株を取得している他の海外投資会社3社の保有分を含めた海外ファンドの合計出資率は、25・8%にまで上昇した。

 日興CGは、上場廃止のリスクを踏まえ株価が軟調に推移している一方、証券事業の財務基盤や業績は堅調で「リスクを取って高利回りを狙うファンドにとっては、投資対象として割安感が高まっている」(市場関係者)。

 仮に上場廃止になっても、日興CGに対しては米金融大手シティグループや、大株主のみずほフィナンシャルグループなどが支援に意欲を示しており、大口の機関投資家は「株の引き取り手はいくらでも見つけられる」(投資ファンド関係者)とみられている。

 このため、新たなファンドの参戦を含め、海外投資ファンドが今後も日興CG株の買い増しに動く公算は大きく、各ファンドの合計保有比率が、日興CGの提携戦略など経営の重要事項を拒否できる議決権の3分の1超に接近する可能性も否定できない情勢だ。

 一方、米シティやみずほコーポレート銀行(CB)などは、日興CGの経営陣との友好的な関係強化を前提としており、たとえ株価が割安でも、水面下での日興CG株の買い増しには動き難く、市場でのファンドの買い漁りに対抗できない。

 このため、日興CGの支援先にとっては、日興経営陣の合意を得ても、ファンドの支援プランへの賛同を得られなければ提携が暗礁に乗り上げる恐れも出てくる。

 また、ファンドの賛同を得ても、支援企業が出資比率を引き上げる際のTOB(株式公開買い付け)価格など株の買い取り条件をつり上げられることも想定されるため、日興CGをめぐる資本提携の駆け引きは、ファンドの存在を無視できない見通しだ。

 日興CGの上場廃止が決まれば、株式が東証の整理ポストに移り、個人投資家の見切り売りでますますファンドが買い漁りやすくなるとの見方もあり、シティやみずほなど支援企業にとっては、出資引き上げのタイミングも重要になりそうだ。

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 ≪海外投資会社の日興CG株式保有比率≫

ハリス・アソシエイツ・エル・ピー         7.23%

オービス・インベストメント・マネジメント     6.75%

サウスイースタンアセットマネージメント      6.08%

マッケンジー・ファイナンシャル・コーポレーション 5.74%

(注)28日までに明らかになった比率

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070301-00000007-fsi-bus_all