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2007年03月01日(木) 17時14分

ガス管またカルテル容疑 4社で値上げ相談 公取委検査朝日新聞

 加工が簡単で主に屋内のガス配管に使われる「ステンレス製フレキシブル管」の販売をめぐり、違法な価格カルテルが結ばれていた疑いが強まり、公正取引委員会は1日、大手金属メーカーの日立金属(東京)など4社に対し独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で立ち入り検査に入った。ガス管販売をめぐっては昨年11月にも、ポリエチレン(PE)管のカルテル疑惑で公取委が立ち入り検査したばかり。公取委は業界の不透明な取引実態の解明を目指すとみられる。

 関係者によると、ほかに立ち入り検査の対象になっているのは、JFEグループのJFE継手(大阪府岸和田市)、テクノフレックス・トーラ(東京)、協成(大阪市)で、本社や営業拠点など計10カ所近くに及ぶ。日立金属と協成はPE管でも立ち入り検査を受けている。

 ガス管は製造・販売している会社が限られ、製品の特徴も似ているため、カルテルが結びやすかったとみられる。

 立ち入り対象となった各社は、フレキシブル管や接続用の継ぎ手などの部材をガス会社や商社を通じてガス工事業者などに納入しているが、04年4月ごろと06年10月ごろを実施時期として、相次いで値上げを表明した。値上げ幅は十数%から20%超だった。その際、各社は事前に会合を開くなどして、値上げ幅や時期を話し合っていた疑いがもたれている。

 各社は値上げの理由として原材料の価格高騰などをあげていた。「ニッケル価格の高騰で主要材料の価格が大幅に上昇」(日立金属)「原油価格も高値圏を維持し、輸送コストなどの間接費用も増加」(JFE継手)などとして、「企業努力での吸収は困難」と説明している。

 フレキシブル管はステンレスを蛇腹状に加工してあり、自由に曲げられるようになっている。

 施工が容易で壁の中や天井裏、床下にも設置でき、各建物のガスメーターから先の低圧ガス配管などとして使われる。安全性にも優れているとされ、20年ほど前から導入が進んだという。市場規模は年間70億〜80億円という。

http://www.asahi.com/national/update/0301/TKY200703010315.html