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2007年03月01日(木) 23時57分

東電の原発データ、新たに9件で隠ぺい工作や改ざん読売新聞

 原子力発電所のデータ改ざん問題で、東京電力は1日、先月28日に判明した分も含め、計9件の隠ぺい工作や改ざんが新たに確認されたことを、経済産業省原子力安全・保安院に報告した。

 うち1件は定期検査中に行われた不正だった。1月末の報告分と合わせると、福島県と新潟県の3原子力発電所の全17基の原子炉のうち13基で、定期検査の際に延べ200件の不正があったことになる。

 このほか、火力発電所13施設と水力発電所1施設でも新たに不正が見つかり、追加報告した。東電は、今後も調査を継続し、3月末に、一連の不正行為の最終報告をまとめる。

 今回、新たに明らかになった原発絡みの9件の不正が行われたのは、1985〜2001年。

 中でも「本件事案は重大」として、保安院に報告されたのが、1985年11月に福島第2原発1号機、92年2月に柏崎刈羽原発1号機でそれぞれ起きた緊急停止の隠ぺい。

 福島第2原発1号機のケースは、定期検査に向けて原子炉の出力を低下させる操作がうまくいかず、中性子量が瞬間的に増加、燃料棒の破損を防ぐため、原子炉が緊急停止したが、発電所幹部(未特定)の判断で運転日誌に虚偽の記録を記載し、隠ぺいした。

 柏崎刈羽原発1号機で、原子炉が緊急停止したケースでも、発電部長の指示でこの事実を隠していた。

 隠ぺいの理由は、いずれも、国や自治体への報告が煩雑でその面倒を避けたかった——としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070301i314.htm