記事登録
2007年03月01日(木) 01時46分

関西テレビ「あるある」問題、新たに捏造3件認める読売新聞


記者会見する関西テレビの千草社長(左)ら

 フジテレビ系で放送された「発掘!あるある大事典2」の捏造(ねつぞう)問題で、番組を制作した関西テレビの千草宗一郎社長(63)は28日夜、大阪市内で記者会見し、2005年10月に放送された「有酸素運動の新理論」など捏造が新たに3件あったことを明らかにした。

 同局は、これらを含む社内調査の報告書を同日、総務省近畿総合通信局に再提出した。これ以外にも疑わしい事例が数件見つかっており、今後、関西テレビが設置した外部調査委員会で検証。今月中旬にも発表される同委員会の最終報告で、捏造にあたるかどうかを判断する。

 関西テレビは、先月上旬に最初の報告書を総務省に提出したが、「過去の放送分を含め、内容が不十分」として、再度の報告を求められていた。これを受け、問題の発端となった今年1月7日放送の納豆ダイエットの回をはじめ、1996年から放送された全520回分のビデオテープを改めて検証した。

 その結果、「有酸素運動の新理論」では、米国の研究者が実際には「3分間の運動をして、代謝を大幅に上げる研究は見たことがない」などと発言していたのに、番組では「(新しい有酸素運動を)毎日、3分間実践すれば、効果は期待できる」と、日本語吹き替えで紹介した。

 また、06年2月の「衝撃!味噌(みそ)汁でヤセる」でも、「味噌汁を飲むことで、やせやすい体になる」と紹介したが、その論拠となった米国の研究者の見解は「味噌には大豆ペプチドが含まれている」という程度だった。

 同10月の「あなたのダイエットフルーツはどっち?みかんorリンゴ」では、血糖値の変化を示す映像で、実際の結果とは異なるグラフを使っていた。

 再発防止策について、同報告書は「実験を伴うようなロケ収録には社員の立ち会いを義務づける」「社員や制作会社を対象とした研修の充実」などを挙げている。

 また、捏造を発見できなかったことについて、「必要な体制作りが十分でなかったことに帰結する」と、社長をはじめとする経営陣の責任を初めて認めた。記者会見で千草社長は、自らの進退について明言しなかったが、不正な放送が複数回に及んだことで、辞任は避けられない情勢となった。

 菅総務相は同日、関西テレビへの処分について、「外部調査委員会の最終報告を踏まえて考えたい」と、記者団に語った。再報告書の内容に関しては「最初の報告よりは深く掘り下げられていた」と述べる一方、「自らの調査とは、そんな程度かなと思う」との不満も示した。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20070228i115.htm