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2007年03月01日(木) 13時27分

進む高校生ネット犯罪教員、IT追いつけず朝日新聞

 ∞知人使い掲示板で同級生中傷

  部室で窃盗オークションへ

 高校生が、インターネット上のオークションや掲示板を悪用する事件が相次いでいる。学校で指導しようにも、日進月歩のIT機器に追いつけない教員も多い。県警は教員向けの研修会を開くなど、未成年のネット犯罪防止に取り組み始めた。(三木雅史)

 ■防止へ詳しくなり事件も

 05年5月、知人を使って、ネットの掲示板で同級生を中傷したとして、庄内地方の高1男子と同女子、無職少年が在宅起訴される事件があった。

 調べでは、男子生徒が、交際中の女子生徒の悪口を言った同級生を掲示板で中傷しようと計画。自ら書き込めば、アドレスから発信元が分かるため、知人の無職少年に依頼して、同級生が「援助交際している」などと書き込ませた。

 2月19日には、山形市内の高校野球部室からグラブを盗んだ容疑で、男子高校生が山形署に逮捕された。調べでは、少なくとも十数個を盗み、ネットオークションで売りさばいたとみられる。

 また、県警が警戒するのが、最新型のICカードを使った携帯電話に関する犯罪だ。匿名性が高いネットオークションを利用して、盗んだ新製品を換金する可能性もある。

 山形署は、未成年のネット犯罪防止のため、先月19日、小中高校の教員ら約70人を対象に研修会を開いた。同署の担当者が「閲覧できるサイトを制限するほか、児童、生徒が集まる掲示板を常にチェックする必要がある」などと説明した。

 だが、「フィルタリング」(有害情報の閲覧制限)、「フィッシング」(個人情報を不正に取得すること)などネット上の用語も飛び交い戸惑う教員も少なくなかった。山形市の男性小学校教員(44)は「初めて聞くことが多い。勉強しないと追いつけない」と漏らす。

 県警サイバー犯罪対策室では「校内のパソコンは閲覧制限されているが、児童、生徒は自宅のパソコンや携帯電話で有害サイトにもアクセスできる。一方、パソコンを持たない教員も多い」と指摘する。

 だが、昨年秋、女子高生とわいせつ行為をした容疑で逮捕、有罪判決を受けた中学教員は、勉強熱心さが犯罪に踏み込むきっかけになった。

 県警によると、非行防止の指導には、まずどんなものか知るべきだ、とサイトをのぞいていたら、次第に自分がやみつきに。生徒自身に撮らせた裸の写真をもとに脅迫するまでエスカレートしたという。

http://mytown.asahi.com/yamagata/news.php?k_id=06000000703010005