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2007年03月01日(木) 08時48分

名古屋市の聴取に口裏合わせ 地下鉄談合ゼネコン担当者朝日新聞

 名古屋市営地下鉄工事をめぐる談合事件で、5工区の入札に参加したゼネコンの担当者が、名古屋地検特捜部などの調べに対し、談合情報に基づいて行われた市の事情聴取の際に談合を否定するようゼネコン同士で「口裏合わせをした」などと供述していることが分かった。

 同工事をめぐっては05年12月までに、大林組名古屋支店の柴田政宏容疑者(70)を中心に大手、準大手などゼネコン各社が組織的に談合し、06年2月と6月に実施された6号線(桜通線)延伸の計5工区の入札で落札するJVを決めていた疑いが持たれている。

 市は同年2月3日に4工区の入札をする予定だったが、入札前に朝日新聞社に談合情報が寄せられた。このため延期後の入札前後に、参加各社から事情聴取を行い、談合の有無などについて説明を求めた。6月の1工区でも同様に談合情報があり、事情聴取した。

 しかし、いずれの担当者も談合を否定。市は「談合は確認できなかった」として、ゼネコンの担当者らに誓約書を提出させたうえで落札JVと契約した。市担当者は「経緯を詳しく聞いたが、説明内容に矛盾点がなかった」としている。

 こうした市への対応について、捜査当局がゼネコン担当者を追及したところ、「JVのメンバーで口裏合わせをした」などと供述したという。

 事情聴取の対象となったゼネコン関係者は朝日新聞の取材に対し、「JVの代表が聴取の前にメンバーに連絡を取り、市に説明する内容を確認し合った」と説明。

 別の関係者も「JV代表が市の聴取に談合を認めていれば、メンバーであるうちも『やった』と答えていた。『わからない』という選択肢はなく、『やってません』と答えた」と話した。

http://www.asahi.com/national/update/0301/TKY200702280383.html