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2007年03月01日(木) 12時52分

政調費帳簿HPで公開を目黒区議会第三者機関提言支出見直し、月3万減額読売新聞

 目黒区議会で明らかになった政務調査費の不適正支出問題を受け、政調費のあり方を検討してきた同区議会の第三者機関は28日、各議員が作成する政調費の会計帳簿をホームページ(HP)で公開することや、飲食を伴う会合への支出を1回5000円以内に限るなどの見直し案を提言した。これらを実施すれば、現在1人月額17万円の政調費は3万円程度の減額が可能と指摘した。同区議会では3月定例会で提言内容を検討し、必要な条例や規程の改正に着手する。

 第三者機関は、日大教授の岩井奉信氏、公認会計士の金木修二氏、弁護士の塩崎勤氏の3人で構成。今年1月から、すべての区議(会派)の昨年度分の収支報告書を点検したうえで、使途基準やチェック方法のあり方を検討していた。

 提言では、支出の透明性を高めるため、各区議は、金額や支出目的などを記載した会計帳簿を収支報告書に添付すべきだと提案。さらに、帳簿を区議会HPで公開することを求めた。政調費で視察した場合は視察報告書を、広報紙を作った場合も現物を提出し、いずれもHPで公開すべきとした。

 一方、使途基準については、公私の区別が難しいガソリン代やプリペイドカード購入代、備品購入費などを、政調費で全額賄うのではなく、一定の自己負担割合を決めることを求めた。また、飲食を伴う会合などへの支出は1回につき1人5000円以内とし、政治活動や政党活動と見まがう広報紙発行や、政治資金パーティーへの支出は認めるべきでないとした。

 こうした措置により、現在は1人月額17万円の政調費を3万円程度減額することが可能として、今後、区議会で検討するよう求めた。また、区議会事務局の負担を減らすため、年1回の収支報告書の提出を年2回に分散することや、議長が必ず、全区議の収支報告書を点検、調査することなども盛り込まれた。

 提言を二ノ宮啓吉議長に渡した後、第三者機関の3人は議長や記者団に対し、所見を明らかにした。

 座長の岩井氏は、分析した05年度の収支報告書について「公的か私的かわかりにくい支出が散見された。区議には心のすきがあったと思う」と指摘。その上で、「提言に基づき、より透明性が高く、区民に理解してもらえる制度に作り直してほしい」と要望した。

 また、HPでの公開についても「区民に支出の妥当性を判断していただければ、議員の緊張感が高まり、(不適正支出への)抑止が働くと思う」と語った。

 塩崎氏は「政調費を全額使い切るのではなく、節約してもらい、余った分はなるべく自主返還してもらいたい」と注文をつけ、金木氏は「確たる根拠があって3万円減額という数字を出したわけではないが、透明性を高めることで適正な政調費の額が出てくることを期待している」と述べた。

 提言を受け、二ノ宮議長は「提言を尊重し、透明性の高い制度に見直したい。反省の意味も込め、月額3万円の政調費減額は妥当ではないかと思う」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news001.htm