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2007年03月01日(木) 10時00分

この人物のオモテとウラ 船越英一郎日刊ゲンダイ

 ドラマ界に大事件の勃発だ。「2時間ドラマの帝王」と呼ばれる船越英一郎(46)が、連続ドラマの主役に起用された。話題の連ドラは4月スタートの「京都河原町・副署長の事件ファイル」(テレビ朝日)。船越は、捜査畑一筋から副署長に昇進した叩き上げの人情派を演じる。帝王の連ドラ主演は芸能生活25年にして初めてのこと。「2時間ドラマで全局制覇」「主演のシリーズも最多の7本」とたたえられるベテランも、ここに来るまで苦労した。なんだか、新ドラマの副署長とダブって見えてくる。
 1960年、俳優・船越英二の長男として生まれたのはご承知の通り。実は、永遠の二枚目・長谷川一夫の縁戚でもある。母親で元女優・長谷川裕見子が一夫の姪(めい)なのだ。「七光」どころか「14光」を得て、俳優業は順風満帆のはずだった。ところが——。
 日大芸術学部を卒業し、俳優を目指すことを告げたときの父親の反応を、かつてスポーツ紙のインタビューでこう語っている。
「“40年間俳優をやってきて、見る目はあるつもりだ。残念ながら、おまえには才能がない”と言われた」
 父の予感は的中した。デビューの年こそ、単発ドラマのチョイ役に起用されたが、その後はパッタリ。困った船越は所属事務所に「もっと予算をつけて欲しい」と直訴した。返った答えはこう。
「うちはアイドルの事務所。君にはお金はかけられません」
 以後、「ゆっくり行くことを恐れず、緩やかな坂道を自分のペースで歩む」ことをモットーに、20年かけて現在の地位にたどり着いた。2時間ドラマで訪ねた名所は数知れず。日本全国の「岸壁」を当てさせるクイズで全問正解した、という逸話を持つ。
 最近は、「スーパー主婦・松居一代の夫」としても有名。01年に結婚した。松居は子連れ再婚。直前まで、前夫との離婚ストレスで顔面マヒになったり、億単位の借金まで背負わされたりと、散々だったが、船越と結婚した途端に運勢が一転した。船越も「趣味は家族」と言ってはばからない。
 収録の合間には、スタッフたちに「お笑い芸人がやる“船越英一郎のマネ”のマネ」を披露して、雰囲気を和ませているという。今度の連ドラも、撮影は快調だそうだ。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070301-00000007-gen-ent